
化学の参考書、何から始めて、どの順番でやればいいの?学校で配られたセミナーや重要問題集をどう使えばいいのか、自分の志望校ならどこまでやれば足りるのかも分からない。

東大毎日塾
代表 内田
この記事では、化学の参考書ルートとして、「いつまでに」「どこまで」やるべきかをまとめました!
▼化学の参考書ルート全体像
おすすめはエクセル化学
見たい場所に飛べる目次
化学参考書ルートの選定基準
①解説が丁寧で分かりやすい
解説を読んでも分からない問題があると、同じところで手が止まり、勉強の効率が下がります。
そこで、解説が丁寧で、先生に聞かなくても読めば理解できる本を選びました。
②学校で配られる傍用問題集を軸にする
化学は暗記の要素が強く、基礎のレベルで覚えることが大量にあります。
難しい応用問題に進む前に基礎の抜け漏れをなくすには、同じ基礎をさまざまな角度から確かめる問題が網羅的にそろった問題集が要るので、傍用問題集を基礎の軸にしました。
学校で配られたセミナー化学やリードα化学を、そのまま使います。
化学参考書ルートは何から始めるか
始める本の決め方
始める本は、今の状態で決めます。
理論・無機・有機で状態が違えば、分野ごとに決めてOKです。
| 今の状態 | 始める本 |
|---|---|
| これから習う、授業で理解できていない | 講義本を読みながら傍用問題集 |
| 授業で一通り理解できている | 傍用問題集 |
| 傍用問題集を、志望校の範囲まで8割解ける | 良問問題集(共通テストだけなら共通テストの過去問) |
| 良問問題集を、志望校の範囲まで8割解ける | 過去問(東大・京大・東京科学大は化学標準問題精講) |
迷ったら、1つ手前の本から始めてください。
傍用問題集と良問問題集を志望校ごとにどこまで解くかは、次のとおりです。
| 志望校 | 傍用問題集 | 良問問題集 |
|---|---|---|
| 共通テストだけ | 基本問題まで | ― |
| 日東駒専・産近甲龍・地方国公立下位 | 基本問題まで | 必須問題まで |
| MARCH・関関同立・地方国公立から上 | 発展問題まで | レベルアップ問題まで |
分野は理論化学から始める
無機の反応式でも有機の構造決定でも、物質量や濃度など理論化学の考え方を使うので、理論化学から始めてください。
学校の授業もこの順です。
化学参考書ルートSTEP1:概念理解+基礎演習
講義本は宇宙一・橋爪のゼロから・Doのどれ?
講義本は、授業(スタディサプリなどの映像授業も含む)を受けても理解できていない分野や、これから習う分野があるときに使います。
3つの講義本はどれも分かりやすいですが、扱う範囲と説明の仕方が違うので、模試の化学の偏差値で選んでください。
講義本の選び方
| 化学の偏差値 | 講義本 |
|---|---|
| 〜45 | 宇宙一わかりやすい高校化学 |
| 45〜55 | 橋爪のゼロから劇的にわかる |
| 55〜 | Doシリーズ(鎌田・福間の講義) |
講義本は、全部読み終えてから問題集に進むのではなく、1つの分野を読んだら、すぐに傍用問題集の同じ分野を解いてください。
宇宙一わかりやすい高校化学は、教科書のレベルの内容を、見開きの左のページのたとえ話と右のページのイラストの図解で説明していて、3つの中でいちばんやさしく丁寧です。
原子や分子のように目に見えないものを、文章だけではイメージしにくい人に向いています。
橋爪のゼロから劇的にわかるは、入試によく出る内容を教科書よりやさしい言葉で説明した授業形式の講義本で、宇宙一より説明がすっきりしています。
丁寧に説明してほしいけれど、たとえ話や図が多いと回りくどく感じる人に向いています。
Doシリーズは、入試で問われる反応や計算の理由まで説明している講義本で、暗記で済ませがちなところも、なぜそうなるのかまで書いています。
初めて見る問題でも、解き方を自分で考えられるようになりたい人に向いています。
暗記用の本:Doシリーズの別冊
化学は覚えることが多いので、覚える内容を整理した暗記用の本を1つ決め、講義本で読み終えた分野から毎日少しずつ覚えて、受験が終わるまで続けます。
このルートでは、Doシリーズの3冊に付いている別冊「入試で使える最重要Point総整理」を使います。
理論・無機・有機の覚えることが分野ごとにまとまっていて、3分野を1つのシリーズでそろえられるからです。
講義本に宇宙一や橋爪を選んだ人も、Doを3冊(鎌田の理論化学の講義・福間の無機化学の講義・鎌田の有機化学の講義)そろえます。
本冊は通読しません。
MARCH・地方国公立から上を目指す人は、問題集の解説で分からない項目を調べる辞書として使います。
沈殿の色や炎色反応のように色で覚えるものは、別冊の文字だけでなく、学校で配られる資料集の写真で実際の色を確かめてください。
基礎問題集:学校の傍用問題集(セミナー化学・リードαなど)
基礎の問題集は、学校で配られた傍用問題集を1冊、最後までやり切ってください。
傍用問題集は教科書の範囲の典型問題がそろっているので、セミナー化学でもリードα化学でも、学校で配られたものなら大丈夫です。
おすすめはエクセル化学です。
傍用問題集の中でも網羅性が高く解説も分かりやすいうえに、書店で買えて別冊の解答が付いています。
傍用問題集の解答編が配られていない人や、傍用問題集の解説を読んでも理解できない問題が多い人は、エクセル化学を使ってください。
傍用問題集をどこまで解くか
| 志望校 | セミナー | リードα | エクセル |
|---|---|---|---|
| 共通テストだけ、日東駒専・産近甲龍・地方国公立下位 | 基本問題 | リードC | 基本問題 |
| MARCH・関関同立・地方国公立から上 | 発展問題 | リードD | 応用問題 |
有機は学校の授業を待たずに進める
多くの高校では、有機化学の授業が終わるのは高3の10〜11月です。
有機の構造決定は入試でよく出るのに、授業を待っていると有機の問題を解く時間がなくなるので、有機は高3の4月から、無機と並行して講義本と傍用問題集で先に進めてください。
化学参考書ルートSTEP2:入試標準演習
入試標準の問題集:化学の良問問題集
化学の良問問題集は、入試レベルの演習書です。
解説には、式だけでなく、なぜその式を立てるのかという考え方まで書かれていて、学校で配られる重要問題集より丁寧で分かりやすいので、こちらを選びました。
確認問題・必須問題・レベルアップ問題の3つのレベルに分かれています。
確認問題は基本的な用語や公式を確かめる問題で、そこから必須問題に入るので、傍用問題集から段差なく進めます。
傍用問題集を発展問題まで8割解ける人は、確認問題を飛ばして必須問題から始めてOKです。
必須問題とレベルアップ問題のレベルの目安は、次のとおりです。
問題集のレベルの目安
| 傍用問題集(セミナー化学) | 良問問題集 | 重要問題集 |
|---|---|---|
| 発展問題 | 必須問題 | A問題 |
| ― | レベルアップ問題 | B問題 |
良問問題集の必須問題は、セミナー化学などの発展問題とレベルが重なりますが、次のように役割が違うので、両方解く価値があります。
- 傍用問題集:単元ごとに、典型問題の解き方を例題で学び、漏れなく身につける
- 良問問題集:全問が実際の入試問題で、身につけた典型問題の解き方を使って、ひねったり組み合わせたりした問題を解けるかを確かめる
傍用問題集を8割解けるようになった分野から、良問問題集に進んでください。
重要問題集と良問問題集はどっち?
良問問題集で進めてください。
上の表のとおり、良問問題集の必須問題までが重要問題集のA問題、レベルアップ問題がB問題に当たり、レベルが同じなので、どちらか1冊にします。
重要問題集の解説は式と計算中心で短く、自分で理解しにくいという評価が多いので、良問問題集を選んでいます。
ただし、学校で重要問題集が配られていて、解説を読んで自分で理解できるなら、重要問題集で進めてもOKです。
良問問題集・重要問題集をどこまで解くか
| 志望校 | 良問問題集 | 重要問題集 |
|---|---|---|
| 日東駒専・産近甲龍・地方国公立下位 | 必須問題 | A問題 |
| MARCH・関関同立・地方国公立から上 | レベルアップ問題 | B問題 |
化学参考書ルートSTEP3:入試難関演習
東大・京大・東京科学大:化学標準問題精講
難関大の二次試験向けの問題集で、1問ごとに、要点の「精講」と、どう考えればよいかまで示した解説がセットになっているので、難しい問題でも解説を読んで理解できます。
良問問題集のレベルアップ問題(重要問題集ならB問題)を8割解けるようになってから進みます。
化学平衡や有機の構造決定など、志望校でよく出る分野から解いてください。
標準問題精講と新演習はどっち?
標準問題精講にしてください。
化学の新演習は市販の問題集の中でもいちばん難しい部類で、問題数も多く、現役生が過去問の前に終えるのは現実的でないからです。
標準問題精講を終えて、志望校の過去問を解いても時間に余裕がある人だけ、新演習を苦手な分野に絞って足してください。
化学参考書ルート+α:共通テスト対策
共通テストのために、講義や解説の本を足す必要はありません。
傍用問題集の基本問題まで終えたら、共通テスト形式の問題を解いて、グラフや実験の考察問題に慣れていきます。
共通テストの化学は、2025年の新しい課程でも形式が変わっていないので、それより前の過去問も練習に使えます。
まず過去問で形式に慣れる:共通テスト過去問レビュー
共通テストとセンター試験の過去問を集めた河合出版の問題集です。
本番の問題そのものなので、どんな形でグラフや実験の考察問題が出るかを知るのに一番向いています。
演習の回数を増やす:共通テスト総合問題集
河合塾の全統模試5回分と最新の本試験を収録した、通称「黒本」です。
過去問を解き終えたあとも、共通テスト形式の問題で演習の回数を増やせます。
傍用問題集や良問問題集とは問題の形式が違うので、共通テストを受ける人は、志望校のレベルにかかわらず2冊とも使います。
【志望校別】化学参考書ルート:いつまでにどこまでやるか
自分の志望校を選んでください!
偏差値は、河合塾の全統模試が基準です。
医学部だからといって、難しい本を足す必要はありません。
使う本は、その大学の化学の問題の難しさで決まります(国立大学の医学部の多くは、化学の問題が他学部と同じです)。
- 東大・京大・東京科学大の医学部:東大・京大・東京科学大の表
- ほかの国公立大学・私立大学の医学部(慶應・東京慈恵会医科・順天堂など):北大・九大から東京理科大までの表
医学部は合格最低点が高いので、表の高3以降の締め切りを、それぞれ1ヶ月早めてください。
次の本に進む基準も8割から9割に上げ、過去問で計算ミスをなくす練習に3ヶ月以上使います。
高3の4月の時点で理論化学が表の高2末のところまで進んでいない人は、医学部に合わせて締め切りを早めるのは難しいので、志望校も含めて早めに考え直してください。
①共通テストだけで化学を使う
| いつまでに | やること |
|---|---|
| 高2末 | 理論化学の傍用問題集の基本問題 |
| 高3の10月末 | 傍用問題集の基本問題(全分野) |
| 11月 | 共通テストの過去問(過去問レビュー)で形式に慣れ、間違えた分野を傍用問題集で解き直す |
| 12月 | 共通テスト総合問題集を、本番と同じ時間で解く |
②日東駒専・産近甲龍・地方国公立下位(偏差値〜55)
| いつまでに | やること |
|---|---|
| 高2末 | 理論化学の傍用問題集の基本問題 |
| 高3の8月末 | 無機・有機の傍用問題集の基本問題 |
| 9月末 | 良問問題集の確認問題・必須問題 |
| 10月〜 | 過去問が主軸 |
| 12月 | 共通テストの過去問と総合問題集で共通テスト中心。私大だけを受ける人は過去問を続ける |
| 共通テスト後 | 二次・私大の過去問の年度別演習と解き直し |
このレベルの入試は、基礎から標準の問題の取りこぼしで合否が決まるので、良問問題集は必須問題まで解いたら過去問に移ります。
傍用問題集の基本問題を8割解けるようになった分野から、4〜8月に良問問題集を並行して進めてOKです。
③MARCH・関関同立・地方国公立(偏差値55〜60)
| いつまでに | やること |
|---|---|
| 高2末 | 理論化学の傍用問題集の発展問題まで |
| 高3の7月末 | 無機・有機の傍用問題集の発展問題まで |
| 10月末 | 良問問題集(全範囲) |
| 11月〜 | 過去問が主軸 |
| 12月 | 共通テストの過去問と総合問題集で共通テスト中心。私大だけを受ける人は過去問を続ける |
| 共通テスト後 | 二次・私大の過去問の年度別演習と解き直し |
傍用問題集の発展問題までを8割解けるようになった分野から、4〜7月に良問問題集を並行して進めてOKです。
④北大・九大・筑波・横国・阪大・名大・東北・神戸・早慶理工・上智理工・東京理科大
| いつまでに | やること |
|---|---|
| 高2末 | 理論化学の傍用問題集の発展問題まで。無機を始める |
| 高3の5月末 | 無機の傍用問題集の発展問題まで |
| 6月末 | 有機の傍用問題集の発展問題まで(4月から無機と並行) |
| 8月中旬 | 良問問題集の必須問題まで |
| 9月末 | 良問問題集のレベルアップ問題 |
| 10月〜 | 過去問が主軸 |
| 12月 | 共通テストの過去問と総合問題集で共通テスト中心 |
| 共通テスト後 | 二次・私大の過去問の年度別演習と解き直し |
傍用問題集を発展問題まで8割解けるようになった分野から、4月以降、良問問題集を並行して進めてください。
早慶理工を目指す人は、良問問題集のレベルアップ問題を8月末までに8割解けるようになっていたら、9〜10月に化学標準問題精講を解いてから過去問に入ってもOKです。
⑤東大・京大・東京科学大
| いつまでに | やること |
|---|---|
| 高2末 | 理論化学の傍用問題集の発展問題まで。無機を始める |
| 高3の5月末 | 無機の傍用問題集の発展問題まで |
| 6月末 | 有機の傍用問題集の発展問題まで(4月から無機と並行) |
| 8月中旬 | 良問問題集の必須問題まで |
| 8月末 | 良問問題集のレベルアップ問題 |
| 10月末 | 化学標準問題精講 |
| 11月〜 | 過去問が主軸 |
| 12月 | 共通テストの過去問と総合問題集で共通テスト中心 |
| 共通テスト後 | 二次の過去問の年度別演習と解き直し |
最難関の入試は、良問問題集だけでは対応できない問題が出るので、標準問題精講まで解いてから過去問に入ります。
良問問題集のレベルアップ問題が9月末までずれ込んだら、標準問題精講は志望校でよく出る分野だけに絞ります。
よくある質問
Q. 高3から始めても間に合う?
間に合うかどうかも進め方も、高3の4月の理論化学の状態で決まります。
志望校別の表は、高2末に理論化学がその表のところまで進んでいる人向けなので、そこまで進んでいない人は、次の表で今年狙える大学と進め方を確かめてください。
高3の4月の理論化学の状態で決める(偏差値は河合塾の全統模試)
| 高3の4月の理論化学 | 今年狙える大学 | 進め方 |
|---|---|---|
| 傍用問題集の基本問題もまだ解けない(偏差値〜45) | 日東駒専・産近甲龍・地方国公立下位 | 日東駒専などの表で進める(理論も8月末までに基本問題まで) |
| 基本問題は半分ほど解ける(45〜50) | MARCH・関関同立・地方国公立 | MARCHなどの表を1ヶ月遅らせる(理論は8月末までに発展問題まで) |
| 基本問題は一通り解ける(50〜55) | 北大・九大・筑波・横国・上智理工・東京理科大 | 北大・九大などの表を2ヶ月遅らせる(理論は5月末までに発展問題まで) |
| 発展問題も半分ほど解ける(55〜60) | 北大・九大・筑波・横国・阪大・名大・東北・神戸・早慶理工・上智理工・東京理科大 | 北大・九大などの表を1ヶ月遅らせる(理論は4月末までに発展問題まで) |
| 発展問題もほぼ解ける(60〜) | 東大・京大・東京科学大まで | 志望校の表どおり |
締め切りを遅らせても、12月は表のとおり共通テスト中心にし、国公立は共通テストのあとに二次の過去問を解き、私大は12〜1月に過去問を解きます。
2ヶ月遅らせる人は、化学に週12〜13時間を使うことが前提です。
共通テストだけで化学を使う人は、今の状態にかかわらず、10月末までに傍用問題集の基本問題を終えれば間に合います。
どこまで間に合うかはほかの科目の進み具合でも変わるので、迷ったときは無料相談会で、手持ちの教材と模試の結果を見ながら一緒に決めます。
Q. 入門問題精講・基礎問題精講のルートでもいい?
日東駒専・MARCHなどを目指し、入門問題精講・基礎問題精講を使っていて、解説を読んで自分で理解できているなら、替えずに進めてOKです。
化学基礎問題精講を8割解けるようになったら、次に進みます。
- 日東駒専・産近甲龍・地方国公立下位:過去問に進みます
- MARCH・関関同立・地方国公立:良問問題集に進み、確認問題からレベルアップ問題まで解きます
北大・九大から上を目指す人は、傍用問題集に切り替えて発展問題まで解いてください。
基礎問題精講は1問で1つのテーマを扱う作りで、同じ知識を角度を変えて確かめる問題が傍用問題集より少ないからです。
MARCHまでなら良問問題集で補えますが、北大・九大から上の入試に要る基礎を漏れなく固めるには足りません。
Q. 化学の新研究は必要?
問題集ではなく、高校化学の内容を詳しく説明した辞書のような本です。
通読する必要はなく、最初から買わなくてOKです。
講義本やDoの本冊、問題集の解説を読んでも理由が分からないときに、その項目を引いて使います。
まとめ:化学参考書ルート
化学の参考書ルートは、講義本と学校で配られる傍用問題集(セミナー化学・リードα化学など)で基礎を固めてから、良問問題集で入試標準レベルを、東大・京大・東京科学大を目指す人は化学標準問題精講で難関レベルまでを、順に仕上げていきます。
おすすめはエクセル化学
今の進み具合で志望校の締め切りに間に合うか分からない人や、分野ごとに進み具合が違って自分の締め切りが決めにくい人は、東大毎日塾の無料相談会に来てください。
手持ちの教材と模試の結果を見て、分野ごとに何をいつまでに終えるかを一緒に決めます。
\無料個別相談会あり/
14日間体験指導もやってます
理系の英語・数学の参考書ルートは、次の記事にまとめています。


